はじめに
介護サービス利用者は2012年度で452万人ですが、2025年度には657万人に達する見込みです。この結果、高齢者市場は2025年には100兆円、うち医療・医薬、介護で50兆円規模が見込まれています。
こうした市場予測や見込みを具現化する大きなポイントの一つは、これを担う人の問題です。介護でいえばいまこそ、外国人の積極的な活用を含めた介護人材の育成・確保が求められているのではないでしょうか。
そこで、今回からシリーズで介護事業を主幹事業とする企業トップに、業界の抱える問題点や課題への対応策、こだわりの運営コンセプトや人材育成、確保に向けた諸施策などをお聞きし、紹介します。
こうした市場予測や見込みを具現化する大きなポイントの一つは、これを担う人の問題です。介護でいえばいまこそ、外国人の積極的な活用を含めた介護人材の育成・確保が求められているのではないでしょうか。
そこで、今回からシリーズで介護事業を主幹事業とする企業トップに、業界の抱える問題点や課題への対応策、こだわりの運営コンセプトや人材育成、確保に向けた諸施策などをお聞きし、紹介します。

社会福祉法人 みすず福祉会 理事長 馬場清志氏
「地域に密着して高齢者を支える」開かれた施設目指す
―まず、みすず福祉会の運営理念からお聞きします。
馬場 基本的に「地域に密着して高齢者を支える」という考え方のもとに、当福祉会の施設をご利用・入居される方々およびご家族に、安全・安心していただけるきめ細かい介護・サービスを心掛けるとともに、開かれた施設を目指しています。このため、地域との交流に力を入れ、高齢者福祉施設であることを幅広い方々に、十分認知していただける活動の場として存在したいと考えています。
馬場 基本的に「地域に密着して高齢者を支える」という考え方のもとに、当福祉会の施設をご利用・入居される方々およびご家族に、安全・安心していただけるきめ細かい介護・サービスを心掛けるとともに、開かれた施設を目指しています。このため、地域との交流に力を入れ、高齢者福祉施設であることを幅広い方々に、十分認知していただける活動の場として存在したいと考えています。
―社会福祉法人として留意あるいは意識しておられることは?
馬場 当法人は医療部門を持つことが特徴の一つです。ですから、地域の患者さんがご家族の方と一緒に来られます。その際、様々なことを話します。いいこと・悪いことを含め、地域の方々の気持ちや思いを知るうえで、その日々の会話が大きな財産です。
馬場 当法人は医療部門を持つことが特徴の一つです。ですから、地域の患者さんがご家族の方と一緒に来られます。その際、様々なことを話します。いいこと・悪いことを含め、地域の方々の気持ちや思いを知るうえで、その日々の会話が大きな財産です。
―社会福祉法人として、人材教育という面で考えておられることありますか?
馬場 端的に言えばフェアな職場づくりですかね。仕事としてやりがいのあることはもちろん、給与面、そして働いて楽しくスキルアップできるという意味です。そんな職場を我々が工夫してつくる。当施設に限定せず、もう少し広い視野でみれば、そんな職場でスキルを上げた人材を市場に送り出していければ、真に安全・安心に生きていける社会をつくれるのではないですかね。
馬場 端的に言えばフェアな職場づくりですかね。仕事としてやりがいのあることはもちろん、給与面、そして働いて楽しくスキルアップできるという意味です。そんな職場を我々が工夫してつくる。当施設に限定せず、もう少し広い視野でみれば、そんな職場でスキルを上げた人材を市場に送り出していければ、真に安全・安心に生きていける社会をつくれるのではないですかね。
―介護人材の育成という面ではいかがですか?
馬場 一般にあまり知られていないことですが、救命救急の成績が抜群に良いのが、実は秋田県なんです。心肺停止状態になった人を蘇生させ、生還させることで、他の都道府県よりケタ違いの実績を残しています。
同県では、高校ラグビーで強豪校の一つ、秋田工などでは文字通り体育会系のノリで、街中でも心肺停止などで倒れた人を蘇生させる取り組みをやり、それが一般にも広がっているといいます。そのため、いざという時に誰もが素養として、人工呼吸など蘇生方法を心得ているそうです。
ですから、これは何も特別なことではなく、学校で授業の一環として、素養として教えればいいと思います。そうすれば、高齢者はもちろん、ハンディキャップを持った人に対しても差別なく使え、このことが街全体として安全・安心な都市づくりにつながり、地域貢献にもなります。
当施設でも今後、ボランティアや関係諸団体・関係者などの協力を得ながら、継続的に介護教室を開いて一般の方々に介護・救護の素養を身に付けてもらうようなことも検討していきたいと考えています。
馬場 一般にあまり知られていないことですが、救命救急の成績が抜群に良いのが、実は秋田県なんです。心肺停止状態になった人を蘇生させ、生還させることで、他の都道府県よりケタ違いの実績を残しています。
同県では、高校ラグビーで強豪校の一つ、秋田工などでは文字通り体育会系のノリで、街中でも心肺停止などで倒れた人を蘇生させる取り組みをやり、それが一般にも広がっているといいます。そのため、いざという時に誰もが素養として、人工呼吸など蘇生方法を心得ているそうです。
ですから、これは何も特別なことではなく、学校で授業の一環として、素養として教えればいいと思います。そうすれば、高齢者はもちろん、ハンディキャップを持った人に対しても差別なく使え、このことが街全体として安全・安心な都市づくりにつながり、地域貢献にもなります。
当施設でも今後、ボランティアや関係諸団体・関係者などの協力を得ながら、継続的に介護教室を開いて一般の方々に介護・救護の素養を身に付けてもらうようなことも検討していきたいと考えています。
―外国人人材の育成・活用についてはいかがですか?
馬場 介護業界は今後とも人手不足が続き、2025年ごろから30年ごろまで介護人材の大幅な不足が続くでしょう。ですから、外国人労働者の活用以外に方法はありません。しかし国の施策は、まだまだ外国人労働者の活用には消極的です。
業界の中には複数の企業が学校法人と連携して、ASEAN(東南アジア諸国連合)諸国の現地で、日本語学校と介護人材養成の動きがあり、その考え方には大いに共感し、素晴らしいと思います。ただ、当福祉会としては体力的には無理ですが…。ですから、いまはこれらの動きをうまくいくよう見守りたいですね。
馬場 介護業界は今後とも人手不足が続き、2025年ごろから30年ごろまで介護人材の大幅な不足が続くでしょう。ですから、外国人労働者の活用以外に方法はありません。しかし国の施策は、まだまだ外国人労働者の活用には消極的です。
業界の中には複数の企業が学校法人と連携して、ASEAN(東南アジア諸国連合)諸国の現地で、日本語学校と介護人材養成の動きがあり、その考え方には大いに共感し、素晴らしいと思います。ただ、当福祉会としては体力的には無理ですが…。ですから、いまはこれらの動きをうまくいくよう見守りたいですね。