施設長に聞く④株式会社ありがとう 施設長 上田篤志氏


 はじめに

 世界でも類を見ない速さで進行する高齢社会日本。これとともに避けて通れないのが要介護者の急増。それだけに今後、様々な施策が講じられることを前提にしても、2025年ごろまでは少なくとも諸施策が追い付かず、慢性的な人手不足が解消されることはないとも指摘されています。
とはいえ、要介護者にとっては日々生活するうえで、介護の手なしには成り立ちません。そして、ちょっとした手抜かりが大怪我につながりかねない、介護の現場では気が抜けない日々が続きます。
そこで今回から、介護施設の施設長に施設運営にあたっての“こだわり”や、入所者に対する配慮、スタッフに求める姿勢、そして入所者の施設における暮らしぶりなどを取材、「介護最前線」の生の声をお届けします。

介護現場から・シリーズ「施設長に聞く」④

株式会社ありがとう/住宅型有料老人ホーム フォーユー守口
施設長 上田篤志

人生の先輩に寄り添い、「ありがとう」が満ち溢れる施設に
 ―まず、施設運営にあたり中心に据えておられる考え方からお聞かせください。

上田このホームの合言葉は「ありがとう」です。人生の大先輩を心から尊敬し、皆様の生きがいをサポートする。これが基本です。これは親会社の社長といつも話していることですが、「ありがとう」が満ち溢れる施設にしたいと思っています。それは利用者、家族の方だけでなく、逆にヘルパーから入居者の方々に、そして利用者相互に「ありがとう」の思い・心が通う施設です。

 ―そうした考え方をどのようにスタッフの方々などこのホーム全体に徹底させているのですか?

上田ここはオープンしてから1年の新しいホームです。ホームの立ち上げ時からガイダンスで繰り返し説明していますし、入居者の方々にも入られる時からお伝えしています。お互いに感謝の気持ちで接するよう指導しています。

 ―スタッフの育成・確保という面で何かこだわりは?

上田まだオープンして間もないですから、様々なことが固まっているわけでなく、成長途上です。また、うちだけの特別なことなどありません。ただ、スタッフに任せた形で、ミーティングや交流会をやっています。年間予算を渡して、自主的に月1回とか2カ月に1回ぐらいの頻度で行われています。
例えば、ヘルパー同士の交流を図る意味で食事会をやっています。その前にミーティングをしています。トラブルがあったときの対応の仕方とか、ヘルパーが問題点を出して話し合う中で交流を深めます。

 ―介護職員の定着率は業界全体ではかなり低いようですが、こちらではいかがですか?

上田幸い、ここは高い方だと思います。まだ1年ですから決して断定的なことは言えませんが、現時点で初期のメンバーの半数以上が残っています。嬉しいことです。

 ―それは待遇面や福利厚生面で何か格別いいとか、理由があるのですか?

上田いや、決してそんなことはありません。詳しくはわかりませんが、普通だと思います。
ただ、ひとつ心掛けていることがあります。声を荒げないということです。もちろん、日々の業務の中で、スタッフには注意すべきことや、場合によっては怒らなければいけないようなケースを目にすることはあります。
そんな時は、当の本人と二人だけの場で、注意したり叱ったりします。決して、入居者やスタッフのみんながいる場では声を荒げるようなことはしません。この姿勢、やり方は守っています。
このことが直接影響しているかどうかは分かりません。また冒頭に申し上げた「ありがとう」のコンセプトが分かりやすいのか、他から転職してきた職員が、「ここは働きやすい」といってくれているようです。

 ―入居者に対する姿勢として、スタッフに求めておられることは?

上田やりすぎないことですね。一緒にがんばれ、そして見守ってほしいと思っています。声掛け、あいさつは親しみを込めアットホームな感じで、しかし礼儀はきちんと守れといっています。
ここは住宅(在宅)型ですから、もちろん部屋は個別に分かれているわけですが、それがきちんとホームに定着した時が、いわばこの建物に住む方々が一つの家族になるのではないかと考えています。

 ―このホームとして定まったレクレーションやイベントはあるのですか。

上田理想としては季節ごとに1回イベントを実施していきたいと考えています。例えば春は近くの公園の花見、夏は食堂での夏祭り、秋は紅葉、冬はクリスマスなどで、このうち夏祭りやクリスマスなどは実施しています。
夏祭りでは、少し季節はずれなのですが、焼いも、焼きそば、フランクフルトや、輪投げなど縁日風の用具もそろえて実施しています。もちろん、それぞれ個別に事情もあって全員というわけではありませんが、多くの方々が参加して、楽しんでもらっています。
カラオケ、ゲーム、ものづくりなどのレクリエーションは毎日やっていますし、食事時間以外にも食堂は団らんやくつろぎスペースとして開放し、毎日喫茶店代わりに、午後2時以降のコーヒータイムは、入居者の方には定着しています。その時間帯になると自然に人が集まってこられます。
このほか、子供をはじめ地域住民、ミュージシャンやボランティアの協力を得て、よさこい祭りやミニコンサートなどをやってきました。

 ―ここまでお聞きしてきたことと、住宅型老人ホームという表現でのイメージが、必ずしもマッチしていない部分があるように思いますが?

上田そうですね、私もそう思います。夜間の3時間ごとの見回りなど安心の24時間サポート、プライベートを大事にした完全個室、プライバシーを守る完全個別浴室など在宅と、施設の長所をバランスよく取り入れたホームだと理解していただきたいですね。

フォーユー守口(住宅型有料老人ホーム)
所在地 大阪府守口市寺内町1-14-8
電 話 TEL 06-6993-5200 FAX 06-6993-5201
運営会社 株式会社ありがとう
所在地:大阪府守口市春日町4-12
TEL 06-6115-5123 FAX 06-6115-5132